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このサイトはお絵描きさんねっとわ〜くの企画
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ゴハン

部屋の中は明るい。

腕とか足とか背中とか頭とか
きっちきっちに詰まっている感じ(角も尻尾も翼も余分に詰まっている!)がして
まだベットからでることができない。

部屋の外からずっと人の気配がしている。
見張りをしているのか?

そんなことしなくてもオレは動けないよ。


ずっと微動だにしなかった人の気配が動いた。
それとともに静かにノックがされ扉が薄く開けられた。
「寝ています?」小さな声で呼びかけられた。
「起きているよ」
まるで他人みたいな声で返事を返すとお盆を持って女が入ってきた。

あのときの女。
未来を見る女。
炎に包まれた聖都とその上を飛ぶオレを未来に見た女。

「ゴハンを持ってきたんだけど食べられるかしら?」
「ああ、すこしなら。置いててくれればいいよ」

部屋を下がるかと思ったけれど女はでていかなかった。
重たい頭を動かして見上げるとまじめな顔をしていた。
「ごめんなさいね」
目を見つめるとわずかに伏せてつぶやいた。
「何が?」
「未来視は必ず起こる未来を見せるの。
言い訳に聞こえるかもしれないけれど、
あの未来を見た以上、ここの人たちは竜体を封印するしかなかったのよ。」

みんな恐れているのか。
未来に起こることを。
竜体を封印してしまったことを。
でも、

「でも、あんな未来を知っても雇いたいのだから大丈夫だと思う。」

体を起こそうとすると、まるで子供に接するように手伝ってくれた。
「私、弟がいるのよ。体が弱くてよくこうして世話をしていたわ。」
「弟の病気を治す手だてがないか、聖都で働きながら探しているのだけれど・・・」
「あなたも一族の子供を育てるために働きに来たのよね」

「うん。だから頑張らないとね。」
ゆっくりお盆を引きよせる。
「いただきます」
ゴハンはまだ温かかった。


END



竜体封印直後。
みんな恐れている様だけど、本人は気にしちゃいない。
門前払いされなくてよかったとか思っているに違いない。
この時点では。
(040523)

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